CFJからの借入における過払金返還請求のポイント
CFJ合同会社について
CFJ合同会社は他の多くの消費者金融会社と同じく、利息制限法の制限利率を超える利率での貸付を行っていた時期があり、取引時期によって過払金が発生している可能性があります。
CFJは、2000年にシティグループ傘下に入ったディック・アイク・ユニマットライフが、2003年1月に統合してできた会社です。また、2002年には、マルフクから債権譲渡を受けています。現在もシティグループ傘下にありますが、2009年6月に新規貸付を停止、2016年に貸金業登録を廃止、2021年に提携ATMからの返済受付を停止するなど、事業を徐々に縮小しています。
当事務所への過払金調査・請求のご依頼件数は、事業を縮小していることもあり、大手消費者金融であるアコム・プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)・アイフル・新生フィナンシャルよりは少ないですが、今でも数多くのご依頼があります。
CFJの現状
上記の通り、CFJはシティグループの傘下にありますが、新規貸付は停止しており、単独で見ると経営が安定しているとは言えないと思われます。裁判をすれば過払金利息も含めた過払金の回収が可能ですが、裁判に時間がかかると回収できなくなる可能性も考えられるため、裁判をせずに過払金を回収するケースも数多くあります。
CFJの過払金発生の仕組み
利息制限法で定められた利率より高い利率でのキャッシング取引をしていた場合、制限利率を超えて支払った部分について過払金として返還を求めることができます。具体的には、利息制限法の制限利率は、10万円未満;20.0%、10万円以上100万円未満;18.0%、100万円以上;15.0%となっており、これを超える利率が設定されていた場合、過払金の請求が可能です。制限利率を超える利率での契約があった場合、完済している場合は問題なく請求できます。また、約定では債務が残っている場合でも、利率を計算しなおすことで債務がなくなり、逆に過払金を請求できる場合があります。
CFJの場合、2007年8月に新規貸付利率の上限を利息制限法所定の利率以下に引き下げていますので、それ以前からCFJと取引をしていた方が過払金請求の対象になります。
CFJに過払金請求をする際にご注意いただきたいこと
状況によって注意事項が変わります
1) 取引開始時期
上記の通り、CFJは2007年8月に新規貸付利率の上限を利息制限法の利率以下に引き下げていますので、それ以降にCFJと契約したという方は過払金の対象外になります。ただ、実際にはいつから取引を始めたか明確ではない方が多いと思います。そのような場合に過払金がないかもと考えて調査・請求をためらう必要はなく、まずは調査・請求手続きを進めることをお勧めします。
2) 完済時期
過払金は、完済から10年経過すると時効で請求ができなくなります。ただ、実際には、いつ完済したか明確ではないという方が多いと思います。そのような場合に時効になっているかもと考えて調査・請求をためらう必要はなく、まずは調査・請求手続きを進めることをお勧めします。
3) 取引の分断
CFJとの取引の途中で、一旦完済し、しばらくして取引を再開したという場合で、一旦完済したのが10年以上前であると、一旦完済する前に発生した過払金については、時効であるとして請求ができなくなる可能性があります。
また、一旦完済したのが10年以内の時期で時効の問題にならない場合でも、途中完済がない場合と比較して回収できる過払金が少なくなる可能性があります。
これは、取引の分断という問題ですが、取引が分断しているかは、基本契約の解約の有無・先行取引の期間・取引の中断期間の長さ・先行取引の契約書返還の有無・先行契約のカード失効手続きの有無・中断期間における貸主と借主の接触状況・第2の基本契約が締結された経緯・先行契約と新たな契約の利率等の契約条件の異同等を考慮して判断されます。また、以上の要素を総合してどの程度勝ち目があるかによって、示談における返還金額が変わってきます。
複雑な問題点ですし、CFJと取引されている方でも問題になりやすい点ですが、弁護士に手続きをお任せいただければ、この点で勝てる見込みがあるかも含めて検討しますので、安心いただけると思います。
4) 貸付の停止
CFJは新規貸付を2009年6月に停止しており、その後は返済ばかりになっています。そのため、CFJは、基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなり、過払金充当合意が解消される結果、貸付停止の時点から個別に過払金の消滅時効が進行するとの主張をしてきます。この主張が認められると、過払金を請求した時点から10年以上前に発生した過払金は時効になり、発生した過払金の一部しか返還されなくなります。
CFJは、裁判前の交渉の時点から貸付停止の主張をするため、裁判前に過払金を回収するには貸付停止による一部の過払金の時効消滅を認めざるを得ません。過払金を満額回収するには裁判が必要ですが、CFJは貸付停止の争点について徹底的に争う方針のようであり、満額回収を目指す場合には、相当な期間がかかります。また、裁判所の判断としても消費者側に有利な判断が出たものは多くないようであり、CFJの主張が認められているケースが多数あるように見受けられます。
そのため、CFJに対し過払金請求をする場合は、ある程度の減額(事案によっては大幅に減額)を前提に交渉で回収するか、裁判をするか慎重に検討する必要があります。
このように、貸付停止の争点が認められると、完済から10年を経過していなくても過払金の一部が順次時効により請求できなくなります。そのため、CFJと取引をしていて過払金がある可能性がある方は、できるだけ早く弁護士に過払金調査・請求を依頼することをお勧めします。
ご依頼から解決までの期間
他の消費者金融やクレジットカード会社と比較した場合、CFJは解決までの期間について特徴があります。具体的には、交渉の場合、返還金額が決まってから1か月程度という短期間で返還されます。一方、裁判になって貸付停止の争点が問題になると、裁判だけでも1年程度の期間が必要になるなど、非常に期間が長くなります。
CFJに対し過払金請求をする場合は、こちら側の主張が認められる可能性がどの程度あるかの点以外に、裁判をした場合に必要になる期間についても考慮する必要があると言えるでしょう。
