プロミスからの借入における過払金返還請求のポイント

更新日 2021/12/25
この過払金コラムを書いた弁護士
弁護士 羽賀 倫樹(はが ともき)

出身地:大阪府出身、奈良県育ち。出身大学:大阪大学法学部。

プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)について

プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)は他の多くの消費者金融会社と同じく、利息制限法の制限利率を超える利率での貸付を行っていた時期があります。そのため、取引時期によって過払金が発生している可能性があります。

プロミスは、現在、株式会社三井住友フィナンシャルグループの子会社になっています。創業は1962年と古く、昭和の時代からプロミスと取引をしていて、1000万円を超えるような多額の過払金が発生しているという方もいらっしゃいます。また、数ある消費者金融・クレジットカード会社の中でも、アコム・アイフルと並んで、過払金返還請求をご依頼いただくことが多い会社と言えます。

2007年にはクオークローン・サンライフから、契約切替や債権譲渡を受け、2010年には三洋信販を吸収合併しています。

なお、プロミスが2011年に吸収したアットローン株式会社は、利息制限法内の貸付しか行っておらず、アットローンからの取引という場合は過払金が発生しませんので、注意が必要です。

プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)の現状

上記の通り、プロミスは、株式会社三井住友フィナンシャルグループの子会社であり、経営は安定していると思われます。そのためか、当事務所にプロミスに対する過払金調査・請求をご依頼いただいた場合、過払金の金額次第ですが、裁判をせず和解で解決している事例も多くあります。

一方、取引期間が長く過払金の金額が大きい場合や、完済してから時間が経過しているなどの理由で過払利息が大きくなっているような場合は、裁判をして過払金を回収することが多いと言えます。

プロミスの過払金発生の仕組み

利息制限法で定められた利率より高い利率でのキャッシング取引をしていた場合、制限利率を超えて支払った部分について過払金として返還を求めることができます。具体的には、利息制限法の制限利率は、10万円未満が20.0%、10万円以上100万円未満が18.0%、100万円以上では15.0%となっており、これを超える利率が設定されていた場合、過払金の請求が可能です。

制限利率を超える利率での契約があった場合、完済している場合は問題なく請求できますし、約定では債務が残っている場合でも、利率を計算しなおすことで債務がなくなり、逆に過払金を請求できる場合があります。

プロミスの場合、2007年12月に新規貸付利率の上限を17.8%に引き下げていますので、それ以前からプロミスと取引をしていた方が過払金請求の対象になります。

過払金が発生しているかどうか、確認(調査)をためらう理由はなんですか?

プロミスに過払金請求をする際にご注意いただきたいこと

状況によって注意事項が変わります

1) 取引開始時期
上記の通り、プロミスは2007年12月に新規貸付利率の上限を17.8%に引き下げていますので、2007年12月以降にプロミスと契約したという方は過払金の対象外になります。
ただ、実際にはいつから取引を始めたか明確ではない方が多いと思います。そのような場合に過払金がないかもと考えて調査・請求をためらう必要はなく、まずは調査・請求手続きを進めることをお勧めします。

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2) 完済時期
過払金は、完済から10年経過すると時効で請求ができなくなります。

ただ、実際には、いつ完済したか明確ではないという方が多いと思います。そのような場合に時効になっているかもと考えて調査・請求をためらう必要はなく、まずは調査・請求手続きを進めることをお勧めします。

3) 取引の分断

プロミスとの取引の途中で、一旦完済し、しばらくして取引を再開したという場合は、一旦完済したのが10年以上前であると、一旦完済する前に発生した過払金については、時効であるとして請求ができなくなる可能性があります。

また、一旦完済したのが10年以内の時期で時効の問題にならない場合でも、途中完済がない場合と比較して回収できる過払金が少なくなる可能性があります。

これは、取引の分断という問題ですが、取引が分断しているかは、基本契約の解約の有無・先行取引の期間・取引の中断期間の長さ・先行取引の契約書返還の有無・先行契約のカード失効手続きの有無・中断期間における貸主と借主の接触状況・第2の基本契約が締結された経緯・先行契約と新たな契約の利率等の契約条件の異同等を考慮して判断されます。また、以上の要素を総合してどの程度勝ち目があるかによって、示談における返還金額が変わってきます。

複雑な問題点ですし、プロミスと取引されている方でも問題になりやすい点ですが、弁護士に手続きをお任せいただければ、この点で勝てる見込みがあるかも含めて検討しますので、安心いただけると思います。

4) 貸付の停止

プロミスとの取引では、総量規制等の関係か、2008年頃から返済ばかりになり新たな貸し付けを受けていないという方が相当数いらっしゃるように思います。このような場合、過払金を請求した時点から10年以上前に発生した過払金は時効になり、発生した過払金の一部しか返還しないとの主張を受けることがあります。ややこしい争点ですが、どのような方針で進めるべきかは弁護士が判断しますので、あまり難しく考えていただく必要はありません。

5) 取引履歴の不完全開示

弁護士に過払金調査・請求をご依頼いただくと、プロミスが保管しているこれまでの取引履歴の開示を受けることができます。多くの場合、取引をしていた全期間の取引履歴の開示を受けることができますが、例えば昭和の時代から取引をしているなど、古くから取引をされているという方については、古い時代の取引履歴が出てこないことがあります。
ご自身で古い時代の取引明細を保管されていれば、それに基づいて請求することも考えられますが、そのような方はあまりいらっしゃらないと思います。そのような場合、プロミスから開示された取引履歴の範囲で過払金を算出し、請求せざるを得ません。

6)三井住友銀行から借り入れがある方

プロミスは、三井住友銀行のカードローンの保証会社になっています。

三井住友銀行からの借入があっても、プロミスに対する過払金請求は可能ですが、同時に三井住友銀行からの借入について債務整理をしたり、過払金請求の途中で三井住友銀行からの借入の返済が滞り、代位弁済によりプロミスに債権が移った場合は、過払金と相殺されてしまいます。

その場合、過払金の方が大きければ相殺後の金額が返還されますし、債務の方が大きい場合は、相殺して残った債務をプロミスに支払っていくことになります。

7)クオークローン・サンライフと取引をされていた方

プロミスは、2007年に、クオークローン・サンライフという金融会社から、契約の切替・債権譲渡により、取引の引継ぎを受けています。クオークローン(クラヴィス)は、既に破産をしていて過払金の回収ができず、サンライフは存続しているものの過払金の回収が難しい会社であるため、クオークローン・サンライフで発生した過払金をプロミスに対して請求できるかが問題となります。

この問題ですが、契約切替によりプロミスに取引が移転した場合は、クオークローン・サンライフで発生した過払金をプロミスに対して請求できます。一方、債権譲渡によりプロミスに取引が移転した場合は、クオークローン・サンライフで発生した過払金はプロミスに対して請求できません。

ご依頼から解決までの期間

プロミスについて過払金調査・請求をご依頼いただいた場合、解決まで少なくとも半年~1年は見ていただいたほうがいいでしょう。

返還金額は、交渉では、どうしても限界があり低くなるケースがあります。取引期間が長い方については、経過利息だけでも相当な金額になりますので、訴訟になるケースが数多くあります。訴訟では、過払金算定上の特段の争点がなければ、経過利息を付けた満額近くを回収することが可能です。

なお、訴訟になるとご依頼から回収まで1年以上が必要になることがありますが、裁判所に提出する書類は弁護士が作成しますし、裁判所には弁護士が出向きます。そのため、ご依頼者の方に裁判所に出向いていただく等の手間をおかけすることはほとんどありません。

プロミスの解決事例

Pさん  50歳代 女性  主婦

消費者金融4社とクレジットカード会社と十数年の取引で130万円の借金(残債)がありました。無料の過払い金調査サービスで5社全てに過払い金があることを確認。過払い金請求をして借金は一気にゼロになり、諸費用を引いても約500万円以上の現金を手にすることができました。

Mさん  80歳代 年金生活者

当初ご家族からみお綜合法律事務所に相談があり、その後Mさんから過払い金調査サービスをお申込みいただきました。結果、完済していたプロミスで323万円の過払い金があること発覚。時効を迎える前に急いで対応し、323万円を回収しました。
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