三菱UFJニコスのキャッシングにおける過払金請求のポイント

更新日 2022/01/26
この過払金コラムを書いた弁護士
弁護士 羽賀 倫樹(はが ともき)

出身地:大阪府出身、奈良県育ち。出身大学:大阪大学法学部。

三菱UFJニコス株式会社について

信販最大手だった日本信販株式会社が、後に旧・UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)の子会社になり、(株)UFJカードを合併して社名をUFJニコス株式会社に変更。その後2007年にDCカードを合併し、社名を三菱UFJニコス株式会社(略称ニコス)に変更しました。

三菱UFJニコスの現状

現在、国内最大クラスのクレジットカード会社の1つです。

三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)の子会社ですので、経営は比較的安定していると思われます。

カードの種類

ニコスカードを始め、マイベストカード、三菱東京UFJ-VISAなど、多くの種類のカードを発行しており、カードの種類によっても利率が異なります。つまり、カードの種類によって、過払い金が発生しない場合もありますし、発生する場合でも過払い金の発生金額が大きく変わってくることが特徴です。

元々は日本信販で、後にミリオンカード(UFJカード)やDCカードと合併しているので、それらの会社のカードの過払い金も、三菱UFJニコスに請求することになります。

<過払い金発生の可能性が高いカード>

  • ニコスカード
  • マイベストカード
  • 日本信販、
  • ミリオンカード、
  • シェルスターレックスカード
  • DCカード
  • ぴあカード
  • UFJカード

三菱UFJニコスの過払い金発生の仕組み

利息制限法で定められた利率より高い利率でのキャッシング取引をしていた場合、制限利率を超えて支払った部分について過払い金として返還を求めることができます。利息制限法の制限利率は、10万円未満;20.0%、10万円以上100万円未満;18.0%、100万円以上;15.0%となっており、これを超える利率が設定されていた場合、過払い金の請求が可能です。  完済している場合は問題なく請求できますし、約定では債務が残っている場合でも、利率を計算しなおすことで債務がなくなり、逆に過払い金を請求できる場合があります。

過払い金が発生しているかどうか、確認(調査)をためらう理由はなんですか?

 

三菱UFJニコスは、2007年(平成19年)に、キャッシングの金利を過払い金の発生しない適正金利に変更したので、それ以前に取引をしていた場合に、過払い金が発生している可能性があります。2008年(平成20年)以降に初めて三菱UFJニコスのカードキャッシングを利用された場合は、過払い金は発生しません。

 

 

三菱UFJニコスに過払い金請求をする際にご注意いただきたいこと

状況によって注意事項が変わります  

1)カードで買い物や公共料金・携帯電話などの引落しをされている方過払い金請求により、三菱UFJニコスのカードは全て利用できなくなりますので、日常的に利用されている方はご注意ください。ETCカードも使えなくなります。

三菱UFJニコスは、いくつかのクレジット会社が合併していますので、MUFGカード、日本信販、ミリオンカード、UFJカード、シェルスターレックスカード、DCカードなども対象になります。過払い金請求をするときは、お持ちのクレジットカードの裏面に、「三菱UFJニコス株式会社」の文字がないかご確認ください。

2)ショッピング債務が残っている方
三菱UFJニコスのカードは、ショッピングクレジットも行っています。

過払い金の方が多い場合

過払い金からショッピングの残債務を差し引きした金額が返還されることになります。

ショッピング債務の方が多い場合

ショッピングの残債務から過払い金を差し引いた金額を返済することになりますが、ショッピング債務が残っている状態であるため、信用情報の事故扱い(ブラックリストに載る)に載ってしまいます。ブラックリストに載らないためには、ショッピング債務を0円にしてから過払い金請求をされることをお勧めします。

2枚以上のカードをお持ちで、1枚はキャッシングで過払い金が発生して、もう1枚はショッピングで債務が残っているという場合も同様の扱いになります。

ご依頼から解決までの期間

三菱UFJニコスは、カード会社の中でも取引履歴の開示が非常に遅い傾向があります。また、過払金返還の請求をしてから交渉がまとまるまでの時間も長い傾向があるため、ご依頼から解決まで1年程度の期間を見ていただく必要があります。

過払い金返還金額は、交渉では多くの場合、経過利息を付けずに計算した過払い金額の7割~8割程度です。そのため、交渉では解決できず、訴訟になるケースが数多くあります。訴訟では、経過利息を付けた満額を回収することが可能です。

なお、訴訟といっても、裁判所に提出する書類は弁護士が作成しますし、裁判所には弁護士が出向きますので、ご依頼者の方に裁判所に出向いていただく等の手間をおかけすることはほとんどありません。

三菱UFJニコスの解決事例

Aさん 会社員 50歳代

若いころから信販会社、クレジット会社系、消費者金融から借金を繰り返して来られましたが、60歳を前に人生をリセットしようと、当事務所の「過払い調査サービス」を利用されました。三菱UFJニコスとは30年も取引が続いており、63万円の残債務がありましたが、調査して請求手続きをした結果、157万円の過払い金が返還されました。

Bさん 自営業 50歳代

1988年(昭和63年)頃から借り始め、5~6社に借りたり返したりを繰り返し、長年かかってほぼ完済されたBさん。借金返済が長かったので、もしやと思い相談に来られました。調べたところ過払い総額は800万円を超えており、20年の取引があった三菱UFJニコスには2万円の残債務がありましたが、結果として290万円の過払い金が返って来ました。
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