イオンクレジット(イオンカード)のキャッシングにおける過払金請求のポイント

更新日 2021/03/12
この過払金コラムを書いた弁護士
弁護士 羽賀 倫樹(はが ともき)

出身地:大阪府出身、奈良県育ち。出身大学:大阪大学法学部。

イオンクレジット(イオンカード)について

イオンクレジットはイオンクレジットサービス株式会社の略称で、イオングループの信販会社です。イオンカードは同社のメインブランドであり、(株)イオン銀行が発行し、イオンクレジット株式会社が発行業務を受託しています。

イオンカードでのキャッシングは、20%台の利率が適用されていた時期があり、過払金が発生する可能性があります。

一方、イオンカードでのショッピングによる分割払いは、貸付金ではないため、過払金は発生しません。

イオンクレジットサービス株式会社の現状

平成19年(2007年)頃までは、グレーゾーン金利となる年率25.6%でのキャッシングだったため、過払金が発生している可能性があります。会社経営は安定しており、過払金が発生しているのに返還されないという心配は不要です。

イオンクレジットは平成25年(2013年)1月にイオン銀行と経営統合し、クレジットカード事業はイオン銀行に引き継がれました。従って、平成25年(2013年)4月以降の借入はイオン銀行との取引になります。

イオンクレジット(イオンカード)の過払い金発生の仕組み

利息制限法で定められた利率より高い利率でのキャッシング取引をしていた場合、制限利率を超えて支払った部分について過払金として返還を求めることができます。利息制限法の制限利率は、10万円未満;20.0%、10万円以上100万円未満;18.0%、100万円以上;15.0%となっており、これを超える利率が設定されていた場合、過払金の請求が可能です。  完済している場合は問題なく請求できますし、約定では債務が残っている場合でも、利率を計算しなおすことで債務がなくなり、逆に過払金を請求できる場合があります。

イオンクレジット(イオンカード)の種類

イオンクレジット(イオンカード)の種類

  • イオンカード
  • ジャスコカード
  • トイザらスカード

これらのカードの過払金は、イオンクレジットに請求することになります。

イオンクレジットに過払い金請求をする際にご注意いただきたいこと

状況によって注意事項が変わります

1)ショッピング債務(ローン)が多く残っている方

先述した通り、経営統合によりイオンカードはイオン銀行のクレジットカードになっています。従ってイオンカードでのショッピングローンが残っているということはイオン銀行からも借入があるということになります。
イオン銀行のカードローンは、通常、イオンクレジットが保証会社になっており、イオンクレジットに対して過払い金請求をすると、イオン銀行からの借入(=ショッピング債務)がキャッシングの過払い金と相殺され、ショッピングの残債務から過払い金を差し引いた金額を返済することになりますが、ショッピング債務が残っている状態であるため、信用情報上、事故扱いになってしまいます(ブラックリストに載ってしまいます)。ブラックリストに載らないためには、ショッピング債務を0円にしてから過払い金請求をされることをお勧めします。

2)1)の方が、イオンカードで買い物や公共料金・携帯電話などの引落しをされている場合

過払金請求をすると、現在お持ちのイオンカードは利用できなくなりますので、日常のお買物や公共料金などの引落しに利用されている方はご注意ください。
また、貯まっているポイントも使えなくなりますので、可能であれば、過払金請求の前に使ってしまいましょう。

3)平成25年(2013年)の統合後も取引がある方

イオンクレジットとイオン銀行の経営統合により、平成25年(2013年)4月以降のイオンカードでの借入は、イオン銀行からの借入になっています。そのため、イオンカードでの取引を継続していても、いつの間にかイオンクレジットとの取引が終了していて、イオン銀行との取引のみになっているということがよくあります。一般的に、過払金は完済してから10年経過すると時効で請求できなくなりますが、イオンカードの場合、完済していないつもりでも、イオンクレジットに対しては完済になっていることがありますので、取引継続中だからと言っても安心できず、早めに過払金請求をする必要があります。

ご依頼から解決までの期間

ご依頼から解決まで半年はかかります。任意交渉では、大抵の場合、過払金に経過利息を付けない額しか返還されないため、訴訟になるケースがよくあります。訴訟では、過払金に経過利息をつけたほぼ満額を回収することが可能です。なお、訴訟といっても、ご依頼いただいた方に裁判所に出向いていただく等の手間をおかけすることはほとんどありません。

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