取引をしていた貸金業者が分からないときの対応策

更新日 2025/02/11
この過払金コラムを書いた弁護士
弁護士 羽賀 倫樹(はが ともき)

出身地:大阪府出身、奈良県育ち。出身大学:大阪大学法学部。

はじめに

過払金調査・請求の相談を受けていると、消費者金融やクレジットカード会社とキャッシング取引をしていたことがあるので過払金請求をしたいものの、取引をしていたのが何年も前でどの業者と取引をしていたか分からないという話を聞くことがあります。

この点、過払金請求をするには、取引をしていた業者を特定する必要があり、どの業者と取引をしていたか分からないままでは過払金請求ができません。そのため、何らかの形で取引をしていた業者を特定する必要があります。ここでは、どのような方法で業者を特定できるかを見ていきます。

取引していた時の資料

最も簡易かつ的確に業者を特定できる可能性があるのは、取引をしていた時の資料です。消費者金融であれば、基本契約書、業者のカード、個別貸付時の書面、返済時の書面、引き落としの通帳などが考えられます。また、クレジットカード会社であれば、クレジットカードの申込書、クレジットカード、毎月の請求書、引き落としの通帳、カード更新時に送られてきた案内書面などが考えられます。

このような資料があれば、業者名が書いていますので、過払金請求の対象となる業者を特定できます。ただ、取引していた業者名を思い出せないのは、取引がある程度古いためであることがほとんどですので、自宅等に資料が残っていないケースも多いと思います。このような資料がない場合は、別の方法で対象業者を特定する必要があります。

信用情報の取り付け

取引をしていた時の資料がない場合、業者を特定する方法として、信用情報の取り付けが考えられます。信用情報というのは、クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報のことで、具体的には、本人を識別する情報・契約内容に関する情報・支払状況に関する情報などが記載されています。信用情報を取り扱っている機関は、株式会社日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)・全国銀行個人信用情報センターの3つがあります。

信用情報には、取引をしていた業者名が記載されているため、信用情報を取り付けると対象業者の特定が可能です。ただし、完済したのが5年以上前であるなど取引が古い場合、信用情報を取り付けても、取引をしていた業者の情報が出てこない可能性があります。

信用情報を取り扱っている3つの機関のうち、過払金の対象になる消費者金融とクレジットカード会社は、JICC・CICに加盟しているため、過払金請求のために信用情報を取り付ける場合は、JICC・CICから信用情報を取り付けることになります。

その他の方法

以上の他、●●色の看板の業者だった、▲▲さんがテレビCMに出ていた、■■百貨店でクレジットカードを作った等の情報から業者名が特定できる場合があります。

また、弁護士に相談する際に、弁護士から主な貸金業者を挙げていき、業者が特定できるケースがあります。主な消費者金融やクレジットカード会社は以下の通りです。以下の会社名に思い当たるところがあれば、そこが取引していた業者かもしれません。

⑴ 消費者金融

アコム
SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス・三洋信販・ポケットバンク・サンライフ・クオークローン)
アイフル
新生フィナンシャル(レイク)
新生パーソナルローン(シンキ・ノーローン)
CFJ(アイク・ディック・ユニマット)

 

⑵ クレジットカード会社

三井住友カード(SMBCファイナンスサービス・セディナ・OMC・セントラルファイナンス)
オリエントコーポレーション(オリコ)
クレディセゾン
イオンフィナンシャル(イオンクレジット)
三菱UFJニコス(日本信販)
ライフカード
ポケットカード
アメリカンエクスプレス(アメックス)
アプラスインベストメント(全日信販)
イズミヤカード
出光クレジット
エポスカード
トワイライズ(山陰信販)
サンステージ(ベルーナ)
JCB
ジャックス
セブンCSカード
トヨタファイナンス
ニッセンクレジットサービス(ニッセンジーイークレジット)
りそなカード

可能性がある業者に調査を入れる

以上のような方法で業者を特定できなかった場合、取引をしていた可能性がある業者に受任通知を送るという方法があります。ただ、受任通知に本人を特定するための情報を記載する関係で、可能性が低い業者にまで送るのはお勧めできません。ある程度対象業者を絞れたものの、特定まではできなかった場合に取りうる手段と言えます。

 

弁護士によるまとめ

以上、取引していた消費者金融・クレジットカード会社を特定する方法について見てきました。過払金調査・請求をするには、業者名を特定する必要があります。業者名を思い出せないという方は、このページを参考にしてみるのも一つの手と言えます
過払い金にいて相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。
過払い調査・計算サービス
みお綜合法律事務所への
ご依頼が増えています
今のあなたの状況は?