ライフカードのキャッシングにおける過払金請求のポイント

更新日 2021/09/28
この過払金コラムを書いた弁護士
弁護士 羽賀 倫樹(はが ともき)

出身地:大阪府出身、奈良県育ち。出身大学:大阪大学法学部。

ライフカード株式会社ついて   

大手信販会社だった(株)ライフは、2000年(平成12年)に会社更生法の申請をして1度倒産し、その後2011年(平成23年)に、一部事業を新しく作られたライフカード株式会社に事業承継し、残った株式会社ライフは、親会社のアイフル株式会社に吸収合併され、会社は消滅しました。同じ“ライフ”という名称が入っているのでややこしいのですが、(株)ライフとライフカード株式会社は別会社です。また、(株)ライフフィナンシャルサービスという会社がありますが、これはスーパーを展開しているライフの子会社でライフカード株式会社とは関係がありません。

ライフカードの現状

過去に(株)ライフのカードでキャッシングをしていて既に完済されている方は、過去の取引が、アイフルに引き継がれているのか、ライフカードに引き継がれているのかで、過払い金の請求先が変わってきます。どちらになるかについては、ご依頼いただくと、当事務所で請求先を特定しますので、ご安心いただければと思います。

 

(株)ライフは2000年(平成12年)6月30日に倒産しているため、(株)ライフの取引を引き継いだライフカードとアイフルからは、倒産前に発生した過払い金は返還されません。一方、倒産後のキャッシングで発生した過払い金について返還請求が可能です。

例えば、平成初め頃から取引をされ、平成12年6月30日時点で過払い金が発生していても、その時点で発生している過払い金は請求できず、平成12年6月30日以降に発生した過払い金のみ請求することができます。

ライフカードの過払い金発生の仕組み

利息制限法で定められた利率より高い利率でのキャッシング取引をしていた場合、制限利率を超えて支払った部分について過払い金として返還を求めることができます。利息制限法の制限利率は、10万円未満;20.0%、10万円以上100万円未満;18.0%、100万円以上;15.0%となっており、これを超える利率が設定されていた場合、過払い金の請求が可能です。完済している場合は問題なく請求できますし、約定では債務が残っている場合でも、利率を計算しなおすことで債務がなくなり、逆に過払い金返還を請求できる場合があります。

過払金が発生しているかどうか、確認(調査)をためらう理由はなんですか?

ライフカードのカードの種類

  • ライフカード
  • プレイカード((株)ライフ発行)

ライフカードに過払い金返還請求をする際にご注意いただきたいこと

状況によって注意事項が変わります  

1)カードで買い物や公共料金・携帯電話などの引落しをされている方。ETCカードを使っている方  
過払い金請求をすると、ショッピング機能も含めて、カードは全て使えなくなりますので、日常的に利用されている方はご注意ください。各種料金の引落しをされている方は、事前に変更手続きをする必要があります。
ETCカードも使えなくなります。

アイフル株式会社に対しての過払い金請求になる場合は、ライフカード発行のカードはそのまま使えます。

2)ショッピング債務が残っている方
ライフカードでは、ショッピングクレジットも行っています。

過払い金の方が多い場合
過払い金からショッピングの残債務を差し引きした金額が返還されることになります。

ショッピング債務の方が多い場合
ショッピングの残債務から過払い金を差し引いた金額を返済することになりますが、ショッピング債務が残っている状態であるため、信用情報の事故扱い(ブラックリストに載る)に載ってしまいます。ブラックリストに載らないためには、ショッピング債務を0円にしてから過払い金請求をされることをお勧めします。

ご依頼から解決までの期間     

ご依頼から解決まで6か月~1年程度はかかります。

任意交渉では、過払い金の元金から減額した提案があるのが一般的で、ライフカードの場合、40~50%程度の提案をしてきます。そのため、任意交渉で解決できるケースはあまりなく、訴訟になるケースが多くなります。訴訟では、時間はかかりますが、過払い金に経過利息をつけたほぼ満額を回収することが可能です。

なお、訴訟といっても、裁判所に提出する書類は弁護士が作成しますし、裁判所には弁護士が出向きますので、ご依頼者の方に裁判所に出向いていただく等の手間をおかけすることはほとんどありません。

ライフカードの解決事例

Fさん 30歳代 会社員

軽い気持ちで借金を繰り返し、気が付けば計10社に借金があったため、まとめてのご依頼になりました。当事務所が調査したところ5社に過払い金が発生しており、請求に応じない業者とは訴訟になりましたが全て解決。ライフカードの39万円の残債務は過払い金との相殺で14万円に減額となりました。

Aさん 50歳代 自営業

旧ライフからの借入は既に完済しており、倒産したようだと諦めていましたが、だめもとで無料相談に来られました。調査したところ、Aさんの取引はアイフルに引き継がれており、請求の時効にギリギリ間に合って、117万円の過払い金が返還されました。
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