過払金請求のデメリットの有無(信用情報について)

更新日 2023/01/31
この過払金コラムを書いた弁護士
弁護士 羽賀 倫樹(はが ともき)

出身地:大阪府出身、奈良県育ち。出身大学:大阪大学法学部。

はじめに

消費者金融(サラ金)やクレジットカード会社と、概ね平成19年(2007年)以前からキャッシング取引をしていたという方は、業者に対して過払金請求ができる可能性があります。過払金請求をすれば過払金が返ってくる可能性がありますが、デメリットがあるのではないかと考えて、過払金請求に踏み出せないという方がいらっしゃいます。

このページでは、過払金請求にデメリットがあるかどうかについて見ていきます。

信用情報=ブラックリストの問題

信用情報の一般論

過払金請求の相談に来られる方から一番よく聞く心配事は、信用情報=ブラックリストに載ってしまうのではないかということです。信用情報に載ると、住宅ローンが組めない・車のローンが組めない・その他新規の借入ができない・クレジットカードの作成ができない・他の人の借入の保証人になれないなどの支障が生じます。今後新規の借入は考えていない、クレジットカードはなくても問題ないということであれば、これらの支障は問題になりません。しかし、今後少しでも借入をする可能性があるのであれば、信用情報に載るのは避けたいところです。実際のところ、過払金請求をした場合、信用情報に載ってしまうのでしょうか。この問題は、請求対象となる業者について、全ての取引が終了しているか、何らかの債務が残っているかで分けて考える必要があります。

完済してから過払金請求をする場合

完済してから過払金請求する場合は、信用情報に載りません。

この点について、完済後の過払金請求でも信用情報に載ってしまうと聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、平成22年以前は、完済後の過払金請求でも信用情報に載せられていたことが影響していると思われます。しかし、平成22年以降は、金融庁の指導により、過払金請求について信用情報に載せられないことになりました。

したがって、現在では、完済してからの過払金請求であれば、信用情報の心配は不要です。

債務が残っている状態で過払金請求をする場合

それでは、債務が残っている状態で過払金請求をする場合はどうでしょうか。この場合も、過払金が発生しているのであれば、債務は残っていないということですので、信用情報の心配は不要です。

一方、過払金請求をしたつもりが、実は過払金がなく、債務が残っていたという場合は要注意です。この場合は、債務が残った状態で債務の支払いを止めたことになりますので、信用情報に載ってしまってもやむを得ません。したがって、債務が残っているものの過払金請求をしたいと考えている方が、確実に信用情報の問題を避けるには、以下の方法をとる必要があります。

 

完済してから過払金請求をする
弁護士に、取引業者からの取引履歴の取付・過払金の有無の計算をしてもらい(過払金調査)、過払金が発生している場合には過払金請求をする

 

以上の方法をとれば、確実に信用情報の問題を回避できますので、債務が残っている方でも信用情報の心配は不要です。なお、取引履歴を自分で取り付けた場合、業者によっては、実際に発生している過払金と比較して低額での解決を持ち掛けてくることがあります。断り切れず和解してしまうことも考えられますので、取引履歴の取付は自分でやるのではなく、弁護士に依頼した方がいいでしょう。

過払金を請求する対象業者との取引

信用情報とは別の問題として、過払金請求をした場合は、請求対象となる業者との取引はできなくなります。例えば、アコムと取引して完済した方が過払金請求をした場合、アコムとの取引はできなくなります。しかし、銀行・クレジットカード会社・他の消費者金融(プロミス・アイフル・レイク等)との取引はできますので、対象業者と取引ができなくなることは大きな問題ではないでしょう。

弁護士によるまとめ

以上の通りですので、過払金請求にデメリットはないと言えます。特に完済してからの過払金請求であれば、信用情報の問題は生じません。また、業者と取引中で過払金請求を考えているという場合でも、やり方次第で信用情報の問題を生じないようにできます。

みお綜合法律事務所では、完済した方からの過払金請求、取引中の方からの過払金調査及び過払金がある場合の過払金請求いずれもお受けしています。昔から消費者金融やクレジットカード会社と取引をしていて完済し過払金請求をしたいという方、取引中ではあるものの過払金請求ができるか調べたいという方は、みお綜合法律事務所にお問い合わせください。
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