過払金請求の際の重要キーワード
はじめに
過払金は、消費者金融等と取引をしていると発生することがありますが、実際に過払金が発生しているかどうかや、発生しているとして大きな金額になっているかは、弁護士が調査をしてみないと分からないところがあります。ただ、調査をしないと全く分からないわけではなく、過払金が発生する可能性があるかの点や、発生する過払金が大きくなる可能性があるかの点を判断するキーワードがあります。
そこで、このページでは、そのキーワードを見ていきます。
過払金が発生しているか、回収できるかどうかを判断するキーワード
まず、過払金が発生しているか、回収できるかを判断するキーワードを見ていきます。
⑴ 消費者金融・クレジットカード会社(貸金業者)
過払金は、消費者金融またはクレジットカード会社との取引のみが対象になります。銀行との取引は対象外のため、消費者金融またはクレジットカード会社との取引であるかが重要になります。
⑵ 大手の消費者金融・クレジットカード会社
過払金請求は2006年頃から急増し、消費者金融やクレジットカード会社の中には倒産したところもあります。また、倒産していなくても、経営状況が悪く、回収が困難な業者もあります。そのため、消費者金融・クレジットカード会社の中でも、大手の会社であることが重要になります。
消費者金融では、アコム・プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)・アイフル・レイク(新生フィナンシャル)・ノーローン(新生パーソナルローン)等が大手と言えます。
クレジットカード会社では、三井住友カード(旧セディナ、旧SMBCファイナンスサービス)・オリコ・セゾン・イオン・ニコス・ライフカード・ポケットカード等を対象として過払金請求をすることがよくあります。以上の他、クレジットカード会社では、イズミヤ・ニッセン・エポス・アプラス・ジャックス・セブンシーエス・エヌケーシー(旧日本海信販)・トワイライズ(旧山陰信販)等も回収が可能です。
⑶ キャッシング取引
過払金は、消費者金融またはクレジットカード会社との取引のうち、キャッシング取引のみが対象になります。ショッピング取引は対象外のため、キャッシング取引があるかが重要になります。
特にクレジットカードは、ショッピング枠がついていることが多いため注意が必要です。消費者金融はほとんどがキャッシング取引ですが、アコムはショッピング取引の取り扱いもあるため、注意が必要です。
⑷ 15%~20%を超える利率
過払金は、キャッシング取引のうち、利息制限法という法律が定める制限利率を超える利率が設定されたもので発生します。利息制限法1条は、①元本が10万円未満の場合は上限利率20%、②元本が10万円以上100万円未満の場合は上限利率18%、③元本が100万円以上の場合は上限利率15%と定めています。そのため、15%~20%を超える利率の設定があるかが重要になります。
ただ、取引利率が何%であったかは覚えていないというケースが多いのが実態です。そこで、次のキーワードが重要になります。
⑸ 2007年頃より前からの取引
消費者金融やクレジットカード会社が、キャッシングで15%~20%を超える利率で基本契約を締結していたのは、2007年頃までです。そのため、2007年頃より前から、消費者金融やクレジットカード会社とキャッシング取引をしていたかが重要になります。
⑹ 最近10年以内に返し終わった
過払金は、完済してから10年経過すると時効で回収ができなくなります(民法166条)。そのため、10年以内に完済していることが重要です。
発生する過払金が多額になるか判断するキーワード
次に、発生する過払金が多額になるか判断するキーワードを見ていきます。
⑴ 何十年も借りたり返したりを繰り返してきた
過払金は、取引期間が長いほど発生する金額が大きくなる傾向があります。何十年も借りたり返したりを繰り返していると、他の条件にもよりますが、1000万円超の過払金になることがあります。
⑵ 昭和からの取引
何十年も借りたり返したりを繰り返してきたというケースの一例になりますが、昭和から取引を続けている場合は、取引期間が40年ほどになりますので、過払金が大きくなります。
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⑶ 途中で返し終わったことがない
過払金は一連の取引に対して発生するものであり、いったん返し終わり、再度取引を再開した場合、別々の取引と判断される可能性があります。いったん返し終わったのが10年以上前の場合、その時点までに発生した過払金は時効で回収できない可能性があり、回収できる過払金が少なくなる可能性があります。そのため、発生する過払金の額を判断する上で、途中で返し終わったことがないことが重要になります。
⑷ 取引枠が100万円以上あった
過払金は、貸金業者との取引枠が大きいほど大きな額が発生します。いくらであれば取引枠が大きいかというのは難しいですが、100万円以上は大きな取引枠と言えます。貸金業者は、初めから100万円の取引枠を設けることは少なく、ある程度の年数取引した上で、100万円以上に増枠することが多いと言えます。そのため、取引枠が100万円以上ある場合は、取引期間も長いことが多く、その意味でも発生する過払金が大きくなる可能性があります。
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弁護士によるまとめ
以上、過払金が発生する可能性があるかの点や、発生する過払金が大きくなる可能性があるかの点を判断するキーワードについて見てきました。このページに掲載したキーワードがあったからといって、必ず過払金が発生する・過払金が大きくなるとは限りませんが、弁護士に調査を依頼する価値はあると言えます。消費者金融やクレジットカード会社とキャッシング取引をしていて過払金のことが気になっている方は、みお綜合法律事務所にご相談ください。